禁煙外来のご案内

禁煙の意義

 たばこは百害あって一利なしといわれているように、医学的にも肺がん、喉頭がん、肺気腫、また、動脈硬化促進による狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などの主要な原因となっていることが証明されています。
 また、喫煙者本人の健康だけでなく喫煙によって生じた副流煙によって周囲の非喫煙者の健康に対しても大きな悪影響をもつことが知られるようになってきています。例えばタバコを吸わない夫と1日20本以上タバコを吸う夫を比べると、妻が肺がんで死亡する率が2倍も高いという結果が報告されています。

喫煙はニコチンによる精神的依存性、肉体的依存性があり、薬物依存症の一種と捉えられています。即ち、たばこがやめられないのは、意思が弱いからではなく、ニコチンに依存性があるからなのです。
禁煙指導はニコチン依存症の治療であり、喫煙が関連する多くの病気の予防や予後の改善効果が期待できる医療サービスです。 下記の条件にあてはまる方は保険で治療を受けることができます。12週間で5回の診察を受けていただき、各診療では、処方だけでなく、息に含まれる一酸化炭素の濃度の測定や医師からのアドバイスを受けることが出来ます。この禁煙治療のスケジュールどおりに12週間最後まで診療を受けて禁煙を継続させましょう。

 

受診時期 治療内容
治療前の問診・治療 禁煙治療のための条件の確認
1 初回診療 ① 診察

② 呼気一酸化炭素濃度の測定

③ 禁煙実行、継続に向けてのアドバイス

④ 禁煙補助薬の処方
2 再診 【 2週間後】
3 再診 【 4週間後】
4 再診 【 8週間後】
5 再診 【12週間後】

 

禁煙治療のための保険診療適用の条件

①ニコチン依存症を診断するテスト(STD)で5点以上
②[1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数]が200以上      
  [    ]本(1日)×[    ]年=[    ]
③ 1ヵ月以内に禁煙を始めたいと思っている
④禁煙治療を受けることに文書で同意している(→問診票などに、日付や自分の氏名を書きます。)

   
■ニコチン依存症診断テスト

設 問 内 容 はい
1点
いいえ
0点
1 自分が吸うつもりよりもずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか    
2 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか    
3 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか    
4 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)    
5 4 でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか    
6 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか    
7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか    
8 タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか    
9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか    
10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか    
合      計    

「はい」を1点、「いいえ」を0点として、合計5点以上あればたばこ依存症の可能性が高いです。

 

胃がんリスク検診(ABC検診)